2009'03.06.Fri
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。
チキンなもので、いつもどきどきしながらアップしてます。
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料理陰陽師小松 其の四
静かなところが気に入っている美食山の周囲が最近うるさい。
ひとつはいつつ向こうの山を住処にしている美食會の奴らが都を襲っているのと、もうひとつは、ぼくらと動物以外存在しなかったこの山に人間が入り込んでいるからだ。
旅人でも迷い人でもない。
美食山の鬼大将、トリコを訪ねにくる陰陽師だ。
あのばかは平気で陰陽師と顔をつき合わせるが、妖怪退治を生業とする人間と一緒にいて無事にすむとは思えない。
トリコならそこら辺の陰陽師など一蹴できるが、ぼくらはここを荒らされたくない。
トリコが余裕のつもりで追い払わないなら、ぼくが追い払うだけだ。
後で文句を言われるだろうが、人間のことなどトリコもすぐに忘れるだろう。
仲間の鴉から例の人間が近くにきているの聞き、ぼくは鴉に変化して山の入り口に飛んだ。
普段は人型の鴉天狗の姿でいるけど、やはり鴉の姿の方が具合がいい。
視力も半端なく遠くまで見えた。
人間が来る。焦った感じだ。ただならぬものを感じて目を凝らしてもう一度「視る」。
人間は怪我をしていた。風が吹き遅れて血の香りが運ばれる。
死ぬのか、この人間は?
いや、ここで派手に死なれてはトリコが暴れる。
せめてトリコの目に付かないところで死んでほしいと考えている間に、人間が倒れた。
倒れた瞬間、大地が揺れる。人間が倒れた振動ではない。走るトリコが大地を蹴るせいだ。
木が揺れて枝にとどまれなくなったので仕方なく飛んだ。
「小松」と叫ぶトリコの姿が木々の隙間から見えた。
なんなんだ、コイツは?
続く
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