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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2024'11.23.Sat
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2009'04.16.Thu
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。

また十日も間があいてしまった!!


料理陰陽師小松 其の十二

この何十年か山は平穏だった。淡々と過ぎていく日々が、小松くんの存在によってにぎやかなものに変わる。
気づけば彼はぼくらの懐にはいっていて、ぼくらはそれが気持ちよかった。
冷静に考えれば、人間に気を許すなどおかしな話だ。
それでもぼくにとって彼はお茶を理解してくれる友人で、サニーは自分を賞賛する彼に気をよくして(断じてそれ以外の理由はない!)とそれなりに理由はある。
理由が見当つかないのはトリコだ。
ぼくは断崖の住処とは正反対側の東に位置するトリコの住処へと出向いた。
奴はお決まりの大木の枝にまたがって酒を飲んでいる。
羽を羽ばたかせてトリコのところへ飛んだ。
つまらなさそうな顔で出迎えてくれるのだからため息もつきたくなる。
手近な枝に足を引っ掛けると「退屈そうだな」と声をかけた。
「小松くん、最近来ないね」
「あいつの料理がないと物足りなくて酒もうまくねえ」
トリコがぼやく。酒を生きる糧とする鬼の台詞とは思えない。
「トリコは小松くんのなにに執着する?」
遠まわしな発言はやめて本題にはいる。
「トリコは小松くんを食べるつもりで一緒にいるの?」
怖くて、実は聞けなかった疑問だ。
食べるとこたえた場合、ぼくはどう動くのか?
食べないというなら、トリコはなにを思って彼といるのか。
理由もなく特定の人間の傍にいたくなることってあるのだろうか?

続く

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