2009'04.18.Sat
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。
料理陰陽師小松 其の十三
小松にたいするおれの気持ちはひとつだ。
「あいつの料理はうまい」
「おいしいね」
「あいつの料理なら一日中でも食べられる」
「・・・一日中料理をしなくちゃいけない小松くんの身になってみろ」
ココは呆れた。
小松は不思議な奴だ。
あんなにも小さくて弱っちいのに、妖怪退治を生業とする陰陽師だ。妖怪とは対極の立場にいる。あいつがおれたちの傍にいるのが信じられない。信じられないけど、小松が嘘や企てをもっておれたちといるとは思えなかった。
信じられないけど、信じている。
矛盾している。
この矛盾はいつか、おれか、あいつのどちらかを破滅に導くのだろうか?
胸の奥から突き上げる感情はおれに抑えこまれている。このまま静かにしていろとおれは言い聞かせる。
「でもよ、ココ」
それに、どんなに我を見失っても、これだけは破ってはいけない誓いがおれたちにはある。
「おれはこの山を守りたい」
おれは北方を見つめた。
封印された仲間。あいつが眠るこの山を荒らされる訳にはいかない。
「それはぼくも同じ気持ちだ。だからぼくらは美食山にいる」
西方のココ、南方のサニー、東方のおれ、北方のゼブラ。
おれたちは美食山から生まれた妖怪だ。
この山から離れるつもりはないし、山を荒らす奴が現れれば容赦なく叩き潰す。
小松がいることで変わったおれの日常だけど、それだけは変わらない
続く
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