らぶ☆マシュマロ
「小松、クッキーとキャンディーとマシュマロ。どれが好きだ?」
いきなりトリコから話をふられて、小松は最近はまっているマシュマロをあげた。美にこだわりを持つ四天王のサニーが、ゼラチンはいい! といって小松にマシュマロを上げたことがはじまりだ。
「マシュマロか」
トリコがにやりと笑う。嫌な予感がして小松は事情を聞こうとしたが、
「マシュマロで・・・いいんだね? 小松くん」
思いつめたココの顔に、嫌な予感が倍増して聞くのが怖くなった。
「15日の夜はあけておけよ」
日にちを言われて、ホワイトデーの話だと察せられた。今回、なんの要求もしないトリコを小松は不気味に思った。
「マシュマロ、マシュマロか。くー、楽しみだぜ!」
逆にトリコは非常に楽しそうだ。今にも涎を流しそうな恍惚ぶりである。
「ぼくもせいいっぱいがんばるからね、小松くん」
そして非常に憐れんだ顔で小松の肩を叩くココ。
思わせ振りなふたりの態度に、小松は逃亡計画を本気で考えるのであった。
「マシュマウンテンに今年ホワイトマシュマロンが実ったらしいぜ。おれもはじめて食べるから楽しみだ」
意気揚々とトリコがホワイトデーの準備だ! と言ってハントへ誘うのだから、ココは呆気にとられた。
「小松くんがマシュマロを選んで喜んだ理由って、本当にそれだけか?」
「おうよ」
「マシュマロを小松くんの下の口につっこんで食べるとかそういったプレイではなく?」
うっかりココが妄想をすべらせば、トリコの目がぎらりと光った。
「うまそうだな、それ」
(ごめん、小松くん)
墓穴を掘ったココは心のなかで小松へ謝罪した。が、誘惑には勝てずココはトリコとふたりでホワイトデーの計画を練るのだった。
終わり