2009'03.29.Sun
めざしたのは・・・いやらしさ・・・。
かけひき
大きな体の食いしん坊が、行儀も悪くひとの手についたソースを舐めた。
レストランと違って野外料理は無礼講な観がある。
手掴み当たりまえ、手についた脂も拭くのではなく舐めてきれいにする。
小松は両手を汚すような食べ方をしないが、それでも肉の脂が滴り手の甲に流れた。
まるでアイスのように流れる雫がズボンに落ちる前に、トリコが舐める。
手を覆うほどの大きな舌が這う。
生温い湿り気を持つ舌の感触に、小松は嫌悪を感じず逆に戸惑う。
軽く呆然としてる間に、トリコは彼が握る肉を食べた。
骨だけになったそれをトリコは歯で挟んで小松の手から抜くと、空洞になったそこに舌をねじこまれる。
あ、と小松は悲鳴ともあえぎとも受け取れる声がでた。
「食っていい?」
目線をあげてトリコが確認をする。
ずるいと小松は思った。
手を舐められて嫌だと振り払わなかった時点で返事などわかっているのに、あえて聞く彼の用意周到さがいやになる。
「死ぬほど食べたいと思っているならいいですよ」
と意地悪をこめて言えば、
「好きだぜ、小松」
大きな体の食いしん坊は、小松の思惑を蹴飛ばすほどの笑顔で告白するのだった。
終わり
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