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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2024'11.23.Sat
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2009'04.03.Fri
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。

信じられないことに陰陽師シリーズの更新が10日ぶり?
入稿が終わるまで更新は遅くなりそうです。

料理陰陽師小松 其の十

ふと感じた気配に目が覚める。
かすかに風も感じて、戸を閉め忘れたのかと思い身を起こせば、部屋の隅にある銀色の塊を発見した。
犬? 違う普通の動物じゃない。
銀にまじって薄桃、葉色、水色の毛をもつ不思議な妖狐だ。
敵意は感じられない。どちらかというと好奇心の視線だ。
知らない料理を目にしたときのトリコさんに似ている。
この妖怪は美食山に住むトリコさんの友達かもしれない。
トリコさんといいココさんといい、あの山の妖怪は美形だ。
ちかごろ修が忙しくて会いに行ってない。
夜の来訪者はトリコさんたちを思い出させて懐かしくなる。
「トリコさんたちによろしく伝えておいてくれませんか?」
声をかけるが返事はいくら待ってもなかった。
・・・沈黙が気まずい。
「ぼくになにか御用ですか?」
わざわざぼくのところにきたのだから、用事があると考えるのが普通だよな、うん。
「わっ」
気づけば、妖狐に肩を押されて押し倒される。妖狐に殺す気があるなら瞬殺ものだ。
見上げれば牙が近い。でも間近で見た毛並みにも目が奪われる。夜なのにひかり輝いている。太陽の下でなら別の輝きを見せてくれそうだ。
「きれいだなー」
思わず呟いていた。
「おまえ、ばか?」
妖狐が喋った。第一声が「ばか?」?
「襲われてるのにきれい、はないだろ」
「ぼく襲われてたんですか?」
「やっぱばかだ」
妖狐が盛大なため息を吐き終える頃には人型に変化していた。長い髪は銀をもとに薄桃、葉色、水色がある。
虹のようだ。
「やっぱりきれいだ」
「あったりまえだろ」
ぶっきらぼうな返事だけど、揺れる尻尾が喜びを表している。
微笑ましくて嬉しくなった。

続く

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