いきなり降ってわいたトリコBD第2弾。
とめどなくも溢れるスイーツ
「小松くん、トリコがケーキを食べつくしたからそろそろお開きに・・・」
キッチンにいる小松に声をかけるココは、その途中で言葉をなくした。
「わかりました、急いでデザートを用意しますね」
小松はサラダボウルほどの大きな器に盛り付けをしていた。
「デザートって・・・ケーキは終わったよ?」
「バースディケーキはバースディケーキ、デザートはデザートですよ」
生クリームを絞り、色とりどりの果物を飾る。見た目カラフルなスイーツはプリンアラモードだ。
「そういうものかな?」
トリコが大食らいだから、という意味ではないらしい。
ココは感覚の違いかと考えるものの、トリコのために動くすべてが小松にとって自然なのが素直に嬉しい。仲間以外、生まれた日を祝う者がいるとはココは思っていなかった。そう口にすれば小松は全力で否定するだろう。「ぼくがいます」と大きな声で。
「ココさん、トリコさんに持っていってください」
完成した器を小松から受け取るココは、彼がさっそく次のデザート作成に取りかかるのを見て驚く。
「次はチョコレートパフェかな。今のうちに白玉団子を茹でておくか」
まだまだ作る気は満々である。
「すぐに戻ってくるから待っててよ、小松くん」
ココは急いでトリコにデザートを渡した。
「小松は?」
「次のデザートに精をだしているよ」
「楽しみ!」
トリコは無邪気に喜ぶ。素で喜ぶ彼の姿は体格に見合わず子供っぽくココの微笑を誘った。
ココがキッチンに戻ればチョコレートパフェは完成していた。見た目の豪華さにココの気持ちが高まる。小松は冷蔵庫から取り出したクリスタルゼリーをカッティングしている。
トリコの誕生日もあって、いつもは2種類ぐらいでとどまるデザートだが今日は何種類も用意するようだ。
「手伝うよ、小松くん」
「お願いします!」
溢れるスイーツ。
愛情のように甘く、鮮やかに小さな手から生まれる。
終わり
プリンアラモードを見ていたら「トリコさん好きそう」からはじまり今に至ります。