2009'11.18.Wed
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。
ついに60話か・・・。
ついに60話か・・・。
料理陰陽師小松 其の六十
覚悟を問われたぼくに迷いはない。
だってもともと決めていたから。
トリコさんになら食べられてもいいって。
だけど、好きだと告げられて心が納得した。
自分のなかのもやもやに名前がついたんだ。
「はい、好きです、トリコさん」
口にすれば気持ちがすっきりとした。
トリコさんの意識が他のひとに持っていかれたくない感情は妬きもちだ。
触れられて、気持ちよく感じるのは好きだからだ。
好き。
この一言に辿りつくまで、なんて長い時間をかけたのだろう。
好き。
「好きです、トリコさん」
何度言っても言い足りない。もどかしくて声が震える。溢れる感情が制御できずに、想いばかりを口にする。
トリコさんはぼくを抱きしめて「おれもだ」と何度もぼくを好きだと告げた。
荒々しさは一切ない、水面のような静けさだった。
トリコさんの気持ちが落ち着いている。
これが嵐の前の静けさなら、この後に来るだろう嵐だって受け止めたい。
どんな嵐でも、それはトリコさんだから。
「トリコさん」と呼べば、口付けが降ってきた。穏やかに重なるそれは、次第に荒くなる。
今ここでトリコさんに食べられたら、ぼくは幸福のまま死ねる。
言えば、トリコさんは「いなくなるな」とぼくを掻き抱いた。トリコさんの体温が熱い。その熱にぼくは溺れた。
続く
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