2009'11.12.Thu
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。
料理陰陽師小松 其の五十五
「いい加減認めればいいし」
床に伏せるココを宥めれば「認めてるけど悔しい」と布団の下から返ってきた。
いつもおれらの面倒をみる立場のココが珍しく拗ねている。
「自覚してないのは当人たちだけなのもね」
「あれだけあからさまにお互いを意識してるのに、自覚がないってのも凄いし」
あまりに自覚がないからおれも気づくのが遅れたし。
トリコに松をもっていかれるのはおもしろくないけど、松がそれを望むなら問題はない。
トリコのものになっても遊ぶつもりだし。
ただ、ココはおもしろくないようだ。どの種類の好意かは聞かないでやるし。
「トリコは食の衝動に苦しんでいる。衝動が感情を曇らせている。小松くんの鈍さはいつものことだと思うけど」
だけど、とココは言った。
「一番心配なのは、はじめて会ったときから小松くんの死相が消えない」
不吉な言葉をおれは笑ってやった。
「たしかに松はすっげー死にかけてるな」
でも、いつも無事だ。ココの占いは万能ではない。はずれることだってあるし、あたりかけるのをおれらや松の強運で乗り越えられていたのかもしれない。
「大概のことなら小松くんだって逃げようとするし、ぼくらも排除できる。だけど、トリコが相手なら?」
ココは起き上がると、不安を口にした。
「トリコが食の衝動に負けて小松くんを喰らう可能性が一番怖い」
真剣な表情に、今度は笑えなかった。
恐ろしいほどの悲劇。お互いを求めるほどに、可能性は強くなる。
続く
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