このまま毎日のように更新できたらイイな・・・
料理陰陽師小松 其の三十一
小松においしいことをしたサニーに一発かまして、おれはココを見た。
「視えないってどういうことだ?」
ココの千里眼の威力は知っている。それだけに「わからない」という現状は尋常ではない。
「気配がまるで掴めないんだ。例え死んだ・・・としても、死の痕跡は残る。残っているなら視える。それなのに小松くんは視えない」
ココが珍しく、現状を解決できないでいた。こいつらしくない。
「視えないのは隠されているからじゃないのか?」
それしか考えられない。
「ゼブラだって同じだろ」
ゼブラを封印したのが誰かは知らないが、ある瞬間、突然感じなくなった奴の気配におれたちは慌てた。
奴が根城にしている北方で、奴の戦った痕跡を見つけなければ、封印されたことにも気づかなかっただろう。
同じ山から生まれたおれたちだから、結界の内側にいるゼブラを視つけることができたと思っている。
ココが必死になって探しているのに視えないとなると、理由はそれしか考えられない。
結界。
守られているの、隠されているのかはわからない。
どちらにしろ穏やかな状況でないのは確かだ。
無事ならそれでいい。だけど、ココとサニーから聞いた小松の周囲を考えれば安心できなかった。
「美食山に結界を張るのは、小松の無事を確認してからでもいいか?」
このまま人間を喰らわなければ、おれは飢えと渇きで苦しむだろう。苦しむだけなら、まだいい。だけど、小松の安否がわからないのに眠りたくなかった。
あいつを心配しながら眠れば悪夢にうなされる。
予感ではない。これは確信だ。
小松が無事に、穏やかに、笑って料理できる未来を確認するまでは、おれは眠れない。
(小松)
求める声が、内側から響く。この思いの根っこには、一体なにがあるのか?
自分のことなのに、おれはまったくわからなかった。
続く