いつも拍手をありがとうございます!
来週はバレンタインなせいかデパートのチョコ売り場は凄い賑わいでした。今年の私のバレンタインは「チョコを○○だ」「そんなやめてください」「いいだろ小松」「ふふかわいいね小松くん」なバレンタインのやり取りをする彼らを書いて終りそうです(長!)
「あたり」 トリコマ
「ぼくって、強運というか・・・あたりが強い方だってみんなに言われるんですよね」
と話す小松にトリコは「例えば?」と聞き返した。
ビンゴゲームで一抜け、くじの唯一を引き当てる。幸運ばかりではない。ロシアンルーレットな激辛お菓子を食べたこともある。
主に唯一に関わるものを良くも悪くも引き当てた。
「じゃあおれもおまえに引き当てられたか?」
トリコが意地悪く言えば小松は怒った。
「なに言ってるんですか、選んだんですよ。運であなたを引き当てたなんて心外です」
思いのほか真剣に怒るから、トリコは慌てて謝った。
「でもおまえにとっての唯一ってのはあたりだろ?」
どさくさ紛れに言えば、小松の顔が赤くなる。
あたりです、と小声でこたえる小松をトリコは笑いながら抱きしめる。
小松と出会えた奇跡は幸運と呼んで感謝しても足りない「あたり」だ。
「引力」 トリコマ
唇が引き寄せられる。
小松がなにかに気づいたように目線をトリコの背後に向けて微笑む。
「なんだよ?」
トリコはキスの寸前の恋人の微笑みの訳を聞いた。
「いえね、客室清掃担当の子たちが言ってたのを思い出して」
『なんで昨日のお客さま軒並みっていいほどスルのかしら?』
『満月前後の週末はオオイのよ、知らなかった?』
通りすがりに会話を聞いた小松は、月と人間の生理現象の関わりって本当なのかと感心したという。
「で?」
「今日は満月後だと思いまして」
話を促すトリコに、小松は窓の外を指差した。夜空に光る月は欠けはじめている。
「じゃあおれが盛っても仕方ないか」
小松をベッドに沈ませてトリコは自分の唇を見せ付けるように舐めた。凶暴な印象をうけるし仕草に小松も返す。
「ぼくが盛っても、仕方ないということで」
中断されたキスは、引き合うように再開された。
「深く」 トリコマ
大木ほどの腰に跨る小松は、規格外のそれを身に沈めると詰めていた息を吐いた。
「はあ」とこぼれる吐息の濡れた感触をトリコは心地よく聞く。深いのはきついらしく、あまりこの体位に積極的でない小松を、トリコは抑えるからと言いくるめた。小松の尻がトリコの腰にあたるまで言葉通り動かなかった。
全身がじっとりと汗ばむ肢体を眺める。濃くなった体臭はトリコを陶酔させた。トリコのものが馴染むのを待つ小松のそれが、ひそやかに主張している。
(慣れたよなー)とトリコは感慨深い。女性相手でもびびられるそれを、小松が一身に受け止めるのは偏に好意からだ。はじめのころは挿れるだけでくたくたになり小松は、自身よりトリコを喜ばせようと必死だった。あの頃を思えば、自分から招きいれる体位でも萎えない小松に喜びを感じる。
「あ」と小松が声をあげた。
「なんでなにもしてないのに大きくなるんですか?」
「仕方ねえだろ、あまえが煽るんだもん」
「もん、なんて可愛くないですよ」
「あーもういいだろ!」
トリコは腰を揺らした。突然の刺激に小松が悲鳴をあげる。何度か突き上げれば悲鳴は嬌声へと変わり、「横暴です」と途切れ途切れの文句が小松の口から出てくる。
いとしい。繋がっているのに、体よりも深い場所でもっと繋がりたいと思う。
(深く)
思いを込めて小さな体を穿てば小松は果てた。小松の体内にあるトリコはまだ硬度を保ったままだ。体勢を変えて小松を下に入れ替えれば、了解の意味を込めたキスがトリコの顎にされた。
小松のひとつひとつが「深さ」を埋めていく行為に思える。求め合う交わりもまた埋めていく行為のひとつ。
お付合いを前提にしたトリコマ