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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2025'04.05.Sat
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2010'02.02.Tue

なにも考えていないからなかなか話も進まないです。どんな展開になるか暖かく見守ってくださると嬉しいです。


「日々に転がるダイヤモンド03」

ホテルグルメのラウンジの朝は一日の活力を得るための宿泊客で賑わう。
その味を堪能しようと部屋からでたトリコは、同じく朝食のため部屋から出てきたココと廊下であった。
「おはよう」
「おはようって・・・帰ってたのか」
この根性なし! という言葉は飲み込んだが、トリコの表情で察したココは不本意そうな顔をする。
「ひとをケダモノ扱いするな」
「草食系は返上じゃなかったのか?」
「行動にはタイミングがある」
いかにも占い師らしく厳かに言うが、強がっているのは電磁波の視えないトリコでもわかった。
「それにしてもココにしては遅い朝飯だな」
ちなみにトリコは昨夜、ホテルを出て2、3店を強制閉店させてからの就寝なので朝が遅くなったのだ。
「小松くんが平日なら少し遅い方がすいていると教えてくれたからね」
乗り込んだエレベーターは、話をしているうちに目的のフロアに着いた。
ふたりがラウンジに足を踏み入れれば、四天王対応は初のラウンジスタッフたちが緊張の色を浮かべた。
「悪名が高いみたいだな」とトリコがおもしろがれば「約一名のせいでね」とココが返す。
席につけばトリコはメニューを確認せずに「十人前」と遠慮を感じさせる注文をした。ココも同じく「二人前で」と控えめに言う。
ジュース、サラダと順々にテーブルに並べられる。野菜料理を口にしたとき、ふたりは覚えのある味に気づいた。野菜のポタージュスープや卵料理、それと同時にだされたパンは藤の籠に盛られているが、トリコの前にあるのはバケットを半分に切り野菜や肉を挟んだボリュームのあるもので、周囲のテーブルを見ても誰も食べていない。
ヨーグルトと果物を食べ終えコーヒーが運ばれたとき、ココは給仕に聞いた。
「もしかしてレストラングルメの料理長がぼくらの料理を作った?」
返答は予想に違わず「はい」だった。
レストラングルメの料理長がラウンジのブレックファストの料理まで担当するのかふたりは疑問に思う。
「呼んでほしい」と口を開きかけたココがためらった。ただ小松に確認したいだけなのに、間にひとを置いて声をかけるのは本意ではない。ホテルにいる限り自分たちの関係は客と提供者だ。おもしろくないとココは思う。
「小松を呼んでくれよ」
反対にトリコはあっさりと給仕に頼んだ。トリコの考えなしにも思える性格を憎らしく思う瞬間である。
「おまえは考えすぎなんだよ」
トリコがココをからかう。ココは言い返せなかった。
ほどなくやってきた小松がふたりの疑問にこたえる。
「ラウンジのチーフとは同期でして、トリコさんたちにどんな朝食をおだしすればいいのかって悩んでいたので助っ人しただけです。とくにトリコさんはしっかりというよりボリュームのある方がいいですしね」
「さすが小松!」
「ぼくの方こそ驚きましたよ。味でぼくだってわかるなんて思いもしませんでした。今までおふたりにだしたことのない料理なのに」
「わかるだろ」
「きみの味だからね」
トリコとココは即答する。
はじめて食べる料理だろうが、小松が作ったものならわかる自信がふたりにはあった。彼の味は美味なだけではない。心に届く味だ。たとえかたちが変わろうと伝わる。
「美食屋の味覚って凄いんですね」
純粋に感心する小松を理解させる自信だけは残念ながらふたりはなかった。

続く

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