夏の拍手ネタなので、ひんやりデザートネタでした。夏は毎年ひんやりデザートやってるね！
「ひんやりデザート１」トリコマ
「いやー暑いなぁ。こうも暑いと食欲も落ちるぜ」
レストラングルメで食事を終えたトリコは、いつも通り平らげた後に言った。
給仕たちも慣れたもので、トリコのありえない胃袋に関しては驚いてもつっこまない。
「喉越しがいいものが欲しくなりますよね」
自らデザートを持ってきた料理長は、ガラスの器をテーブルに置いた。
透明な器のなかに餅のようなものがある。
「ミルク餅です。片栗粉や牛乳で捏ねたものにシロップをかけたものですが」
冷やすための氷は幾種類かの味のシロップで、時間がたつごとにいろんな味を楽しめる仕組みだ。
おもしろいものが好きなトリコは気に入った。
飲み干すように食べ、「うまい、おかわり」と言うトリコに小松は断る。
「冷たいものをたくさん食べるとお腹を壊しますよ」
トリコ相手に「腹を壊す」とたしなめる小松に、周囲にいたものは「料理長すげー」と感心した。
暑いと冷たいものが食べたくなるしね！
「ひんやりデザート２」小松とリン
小松が厨房で倒れたと聞いてリンは駆けつける。
小松が働くレストランの上司が、マンサムの元に書類を届けるという名目で彼に休みを取らせていた。
バトルコロシアムの仕事をこなすリンに、小松はおいしいデザートを用意しますといって厨房に行ったのだが。
「小松さんになしてるんだし、ハゲ！」
小松を抱えるマンサム所長を発見してリンは怒鳴った。マンサムの傍に寄れば酒臭いのはいつものことだが、今日はどこか甘さが漂う。
「なにもしてないぞ！ 小僧がわしに酒ゼリーを作ってくれるとかで甘い酒を持ってきただけじゃ」
マンサムも必死に言い返す。
出された酒瓶のラベルにあるアルコール度数はMAXなんて意味不明な表記で、酒気で小松が倒れたのだと知る。
「リンさんのひんやりデザートは･･･後アイスクリームを乗せるだけ･･･」
といって小松はダイイングメッセージを残して眠る。
「一緒に食べよ」
じゃないとおいしさは半減する。小松が目覚めるまで待っていたリンは、後にそのことを知った兄にひどく妬かれてうざい思いをしたという。
梅酒ゼリーとかっておいしいよね！
「ひんやりデザート３」ココマ
美食屋という生業でありながら、ココの食生活はトリコやサニーと違って地味だ。
お米はGEN米、断崖絶壁の家に住んでいるせいか、いざ表に出られない時を想定して乾物や保存食が多い。
夏になるとネオトマトのソース作りに励み、天気のいい日は旬の果物野菜を天日に干したり、小松は田舎の祖母を思い出したものだ。
美味なる料理は好きだが、それは普段の食事とは意味が違うというのがココの言い分らしい。
ココの夕食にお呼ばれした小松は、派手さはないが高級食材を使った料理にのけぞった。
（ぼくなんかこんな高級食材を手にしたらあれもこれも試したくなる）
ココのナチュラレルに高級食材を振舞う生活に小松はびびった。
「デザートもシンプルだけど」
アイスクリームと果物のシロップ漬けを添えたものだ。
「おいしそうです」
この方がココらしいと思いながらアイスを口にした小松は、普通のアイスと違うことに気づいた。
「完美牛の牛乳と千年卵が手に入ってね」
手に入ってとココは言うが、手を回さないと入らない高級食材だ。
「ドムロムの実もいい感じで漬けられたし。一緒に漬け込む相性のいい食材を探すのに試行錯誤したよ」
捕獲レベル３０の食材を使っての試行錯誤と聞いて、小松は目まいがした。
（すごいデザート）
全然地味じゃないレベルに、小松のなかでココのイメージを変わった。
地味に凄い食材を使ってそう
ひんやりデザート４」トリココマ
「文句言わずに食え！」
トリコが上から目線で小松の口に突っ込んだ。
「トリコ、小松くんに無理強いするな」
ココが止めに入るが、トリコはふんぞり返って鼻を鳴らす。
「こいつの言い分を聞いていたらアイスが溶ける」
トリコは力説した。小松の口にあるアイスキャンディは、奇抜のフードコーディネーターがこの夏話題を呼ぶとして考案したものだ。
白金レモンとツンデレラ牛からとったミルクに+α（非公開レシピ）で作るアイスは絶妙だ。
予想外の美味なるアイスキャンディに小松は恍惚となる。
「どーだ、うまいだろ？」
トリコは自慢げに肯定を促す。
「おいひい、れす」
アイスキャンディを口にしたまま小松はこたえた。
直後、トリコとココが小松に背中を見せて丸くなったのはご愛嬌である。
やはり夏とくればアイスキャンディ！
