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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2024'11.23.Sat
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2011'09.21.Wed
肉食系のココさんを書こうとしたら・・・さっぱりな感じであれ?

Misty eyes

「小松くんを支配していい?」
 そう言ってココさんは、ぼくが返事をする前に行動に移した。
 なにが起きたかわからない内に押し倒される。しかも、ちゃんとベッドの上だから丁寧このうえない。
 長い時間、研究所で管理された生活をしていたココさんは「支配」や「コントロール」に敏感だった。
 他者に踏み込まない生活を送ってきたのは、それが理由じゃないかな、とぼくは考えている。
 だから、ココさんが求めてくれたときは嬉しかった。
 たまに不思議な言語でぼくに話かけてくるけど、ココさんなりの愛情表現だってわかっていたから怖くはなかった。
 セックスもぼくが馴染むまで根気よく待ってくれたし、情熱的だけどガツガツした感じはなかった。
 ココさんが優しいひとだと改めて思ったのは、優しさを演じていると知ってからだ。
 トリコさんとのハントで擦り傷を作ったぼくに、ココさんは恐ろしい目を向けた。
「たまにはこういったのもよくない?」
 容赦のない愛撫に啼くこともできずに怯えるぼくに、ココさんは言った。
「怖くないよ」
と。
 次の夜は予想に反して甘く、ぼくはびっくりした。ココさんは笑って「前は突然すぎたね」と濁した。
「たまには」が隠された本心だと、このときぼくは初めて気づいた。
 ココさんはまだ、いろんなことを隠し持っている。全部話せと言うのは乱暴すぎて口にできない。
 だから、言った。
「たまになら」と、彼の望むことを受け入れよと。
「あまりぼくを甘やかすと、つけあがっちゃうよ?」
「それはそれでおもしろそうです」
 つけあがることなんてしないくせに、と、何故だがぼくは思った。
 このひとの全部を、どうやったら引き出せるのだろ?
 ぼくに優しいココさんも、ぼくを底なしの快楽に突き落とそうとするココさんも、全部。

 腕のなかにいてもあなたは遠い。

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