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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2024'11.23.Sat
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2011'09.03.Sat
台風・・・ですね!
なネタです。

ハリケーン

<グルメフォーチュンのあたりに台風が来ているとニュースで知りました。今日は仕事場に泊まり、ですよね?>
ココのもとに届いたメールの差出人は小松だった。決められたかたちの文字だが、彼の心情が手に取るように伝わってきて、ココは微笑んだ。
<自宅。頑丈なので大丈夫>
台風の影響で客もなく、他の店も早々に看板を降ろした。ココも店に鍵をかけ、自宅に引き払った。
ココがグルメフォーチュンに来てから、すでに何度も台風は通り過ぎている。傍から見たら不安定な立地だが、柔な土台に家を建てたつもりはない。多少揺れるのは愛嬌だ。
<ココさんなら占いで危険を察知できると思いますが心配です>
返ってきたメールに、やはりココは微笑んだ。
小松はココを普通に心配する。「普通」はココにとって特別だ。特別だから胸がざわめく。
<仕事場に移動するよ>
文字を打ち込み、送信する。小松を心配させてまで自宅にいる意味はない。
仕事場の2階は居住スペースで、ココは荷物も持たずに外へ出た。
嵐。雨より風が強い。
キッスを呼べば、強風のなか危なげなく舞い降りた。
「台風のなかすまないね、もう一度、町まで送ってくれる?」
「グワァ」という返事は了承だ。
「ありがとう」
マントがうるさいぐらいにはためく。対岸の町の明かりが暖かく映る。
占い師としての地位と、安定した足場がこの町にはある。
ウエストのカバンからメールの着信音が聞こえた。おそらくは小松だ。
小松からのメールに一喜一憂。台風さえもかわいらしく思える心の荒れ模様だ。

彼はぼくのハリケーン

終わり
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