小松がぐるぐるとしてます。
7/時を駆ける小松
トリコさんとのすれ違いの日々が続く。否、故意に会わないようにしているのだから、それはすれ違いとは言わない。
メールもすれば電話もする。声を聞けるのは嬉しいし、嬉しいことがあればトリコさんに話したくなる。ただ、会わないだけ。
愛情は消えてない。
「でもトリコは納得しないと思うよ」
笑顔でさらりと言ったのはトリコさんと旧知のココさんだ。ランチ後の休憩時間とともにレストラングルメに現れたココさんは、ぼくを連れてホテル内の和食のお店で遅いお昼をともにした。会話の筆頭はやはりトリコさんで、「忙しいので会えていない」と言えば、理解できないと言われたのだ。
「今まで軽い無理をお互いにしながら時間を作っていたじゃないか」
トリコさんとお付合いしているのがココさんにばれたのは早いうちだった。基本、トリコさんの無茶難題に文句をつけるココさんだけど、最終的にはトリコさんの味方だと思う。ここに来たのもトリコさんの現状をぼくに伝えるためだろう。
「小松くんが気まぐれでトリコと会わないのは考えにくい。小松くんにも思うことはあると思うけど、少しでも問題がトリコに関わるならあいつに相談した方がいい」
ざる蕎麦をすするココさんは「おいしい」と微笑んだ。
トリコさんに相談なんて、過去に行けるなんて突拍子もなく確証もない話をしたところで信じてもらえない。
それともぼくがおかしいのか?
仕事の時間を理由に先に席を立つぼくに、ココさんは気遣う視線をくれた。なにか言いたそうな顔だったけれど、飲み込んでくれた。代わりに今月末の予定を聞かれた。
「その頃はトリコと予定をいれてる?」
「いいえ」
トリコさんにも5月末の予定を聞かれたな。
「いれてない? 本当に?」
凄い勢いで驚かれて、逆にぼくは腰が引けた。
「25日はトリコの誕生日なのに?」
「マジっすか?」
ぼくも驚いた。
知らなかったこととはいえ、誕生日の予定を断ってしまった!
続く