グルメ９９「スープ決定」

10ヶ月近く続いたスープ編もついに終了かぁ。
ゼブラの出る出る詐欺の次は小松の誘拐される？される？詐欺だろうか。

グルメ９９「スープ決定」

恋する猛獣使いが買ってきた雑誌などいつもはスルーするサニーだが、表紙の見出しを見て手に取った。
「グルメブライダル」というブライダル雑誌だ。
表紙には「恋のセンチュリースープ」と書かれていて、まったくもって意味が不明だった。
センチュリースープといえば、小松が先日完成させた奇跡のスープだ。
「小松さんのセンチュリースープって今やプロポーズの定番だし」
リンがわざわざ説明するが、それでもサニーは意味がわからなかった。
「センチュリースープって、飲むと幸せのあまり顔にめちゃくちゃ締りがなくて見るに耐えられないんでしょ？」
「ま、まあな」
リンの知識は事実なだけにサニーは否定しなかった。
スープを飲んだ連中の顔を見たが、美味なるスープを食せて羨ましいと思う以上に、サニーの美意識が飲むのを許さなかった。
「どんな顔も一生一緒に見ていたいって意味で人気みたい。いいなー、うちもトリコと飲みたいし！」
その前にプロポーズはされないだろ、という突っ込みは心のなかで留めたサニーであった。
（にやける顔も引かない愛情か）
好きなひとのあんな顔を見ても100年の恋が冷めないなら本物だとサニーは思う。

「･･･悔しくないし！！」
「なに叫んでるの、お兄ちゃん？」