ようやく第三部完・・・まだ後一部続きます・・・。
料理陰陽師小松 其の四十二
厄介なのが残った。
トリコと戦った美食會の妖怪だ。
いくらトリコが我を失っていたとしても倒せなかったほど強敵が、毒気如きでやられたりするとは思わないけど、平然な姿に冷静ではいられない。
「人間よ、それでもおまえは妖怪について行くか?」
彼はぼくを通りこして小松くんに問いかけた。
何故小松くんに?
トリコへの態度に動揺していた小松くんが、声に導かれ顔を上げた。
「はい」とこたえる声に迷いがない。
彼の潔さが胸に響く。
小松くんにとってぼくらの側にいるのは良くない。
現に人間側から追われ、トリコからは食の衝動の標的にされた。
危険がつきまとう。
今回はたまたま助かったけど、次も無事な保証はない。
小松くんの死相はいまだ視えていた。
「そうか」と奴は呟き、黒い旋風とともに消える。
あたりは静寂が残った。
終わり、か?
「え? 陰陽師んとこから抜けてきた? 住むとこないなら美食山でおれのねぐらに来ればいいし」
「勝手に小松くんを誘うなサニー」
終わったかもしれないけど、まだまだ終わりではない。
ふいに足元からいやな気配を感じた。サニーを見れば奴もうなずく。
ぼくは小松くんとサニーを抱えて空へと避難する。
「リンも来るし」とサニーは黒い蝶を頭にのせる。
「ココさん?」
小松くんに説明しようとした矢先、大地が揺れた。
木々がざわめく。動物はぼくらの争いを恐れて周辺にはいない。
「地震?」
「足の裏がぞくぞくして変な感じだし」
「トリコさん、大丈夫かな」
いくら目をこらしても見えない鬼を小松くんは心配した。
小松くんを心配させるなんて、万死に値するぞトリコ。だから早くでて来いよ。
不安を煽るような木々の揺れはしばらく続いた。
続く