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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2025'04.06.Sun
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2009'09.23.Wed
矛盾とパラレルとあほな展開を笑って許せる方だけご覧いただけると安心します。

料理陰陽師小松 其の三十七

お師さまが一瞬だけ来て消えてからほどなく、只ならない周囲の気配が結界越しに伝わってきた。
大気が揺れている。空間を脅かすほどの荒々しさだ。
いつのまにかぼくの周辺には妖怪がいない。おそらく、外へでているのだろう。
ぼくに構っていられない状況になっているのだ。
この機会にぼくは抜け出した。
牢というものはない。見張りさえいなくなれば、周囲が闇だろうが気配を頼りに外へ出られた。
東の空が暗い。
天気のせいではない。争いの気だ。
中心にいるのはトリコさんとお師さまだった。離れた場所にはココさんとサニーさんがいる。
「なんでトリコさんたちがここに?」
展開についていけずに呆然としていると、黒い揚羽蝶がぼくの肩にとまった。
『小松、さん、助けに、きた』
たどたどしい言葉で話しかけるのは少女の声だった。
「きみは?」
『うち、リン、お兄ちゃん、トリコ、ココと、一緒にきた』
お兄ちゃんが誰なのか謎だけど、消去法でいけばサニーさんだろうか?
って、呑気に構えている場合じゃない。
ぼくを助けに来たなら無事だと伝えたい。
「止めなきゃ、みんなが戦う理由がない」
陰陽師を助けるために妖怪同士が争うなんて変だ。
ただでさえトリコさんは不安定な時期だっていうのに、ぼくなんかのために。
『小松、さん、無事』
黒い羽が羽ばたく。黒い胴のあたりに透明な細い糸のようなものが見えた。
『無事、伝えてる』
リンちゃんが説明してくれた。
「ありがとう」
だけど、トリコさんには届かないらしく、お師さまと争うのをやめない。
「トリコさん、ぼくはここにいます!」
大声で叫んだら、他の妖怪たちに気づかれた。
「げ!」
「松、息を止めろ」
遠くから聞き覚えのある呼び名と声の指示に、ぼくは両手で口と鼻を押さえた。
「かなでろ、リン!」
サニーさんの声に反応するように、蝶は羽ばたいた。鈴のような音が響く。羽から粉が舞う。風上にいた周囲の妖怪が倒れていった。
愛らしい蝶なのに凄い。

続く

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