『夜の事情』

ひさびさのトリココマ！

夜の事情

「ココは溜まった時どうしてる？」
　食後の一服中、突如投下されたトリコさんの爆弾にぼくはお茶を吹きそうになった。
「小松くんだが･･･」とあたりまえにトリコさんに返すココさんに撃沈される。さらに、
「他に誰かいると思われているなら心外だな」とまで言うのだから、当事者のぼくはどうしたらいいのか。
「そういうトリコは？」
「小松がネタに決まってるだろ」
　豪快に言ってくれるトリコさんに、決めなくていいですからとツッコミたかった。
「小松は？」
　ぼくに話題を振られるのは、当然の流れかかもしれないけど･･･。
　トリコさんの確信犯的な笑みに、最初っからぼくに聞くのが目的だったと知る。
「おれとヤッてるのを思い出してるのか、ココに抱かれてるのを想像しながらシテるのか」
　ぼくが返事にまごついていると、トリコさんは勘違いしようもないほど丁寧に確認してくれた。
「ぼくも気になるな」
　普段「品がない」を口癖にするココさんの台詞とは思えません！
　にやにやと笑う野生児と、穏やかな笑みを浮かべる占い師の、見た目は違う微笑みの意味は同じだ。
　タチが悪い！
「個人情報につき黙秘します」
　とたん、ふたりから非難の声があがる。
　夕食の片付けを理由に席を立てば、追及はされなかった。変わりに楽しげな気配を背中から感じる。
　･･･今夜は凄いことになりそうだ･･･。
　なにもかも絞りとられるセックスのおかげで、普段は溜まらないと告白すべきか否か。
　どちらにしろ羞恥プレイに変わりはないだろう。

終わり