2009'10.27.Tue
またしても小ネタ!
ハピネス
「お?」
「ん?」
小松の料理を口にしたふたりは、声を揃えて聞いた。
「味つけ変えた?」
と。
「おれの舌でもなにがどう変わったかわからねえ。でもうまいぞ、すっごく!」
「なんて言うか・・・さすがだね。この味は簡単に真似できそうにないレベルだ」
ふたりは小松を褒めちぎった後、また聞いた。
「どんなふうにアレンジしたのか?」
小松がふたりにだした料理は、好んで食べるものだからテーブルにでる回数も多い。
美食屋ふたりを唸らせる小松の腕は上昇し続ける。かれらは感嘆と喜びを惜しむことなく口にした。
だが小松はやんわりと微笑み返すだけだ。
「おふたりの専属シェフとしては簡単に教えられません」
小松にしてははぐらかす口調だ。
落ち着いた雰囲気に、トリコらも追及できなかった。
美味なる料理に理由はいらない。
「喜んでいただけて嬉しいです」
料理をおいしいと言われるのは誉れ。料理でひとを幸せにできるなら料理人冥利に尽きるというもの。
だけど料理人ではなく、トリコとココによりおいしい料理を食べてもらいたいと願ったのは恋人としてだ。
愛情はスパイス。料理に隔てをするつもりはないけど、ふたりのために作る料理は、シェフではなく個人的な色合いが強い。
胃袋と心を満たしたい。
終わり
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