2011'06.27.Mon
80円と聞いたらやはりこれしか浮かびませんでした。
「80円」
アパートの郵便受にダイレクトメール以外の郵便物が届いたのを見て小松は「珍しい」と思った。
電子が普及した現在、証明として残すもの以外のやりとりはメールで行われるのが日常だ。わざわざ80円を使ってまで手紙をだすひとはいない。
差出人はグルメフォーチュンに住むココからだった。
封を切れば封筒から花の栞がでてきた。小さなカードに「花言葉は知識を吸収する」という内容だ。受験生に好まれるアイテムを小松に贈ったのには訳がある。小松の料理への向上心が関係している。
ココの書斎の本棚を見たとき、そのレア度の高い並びに小松が感嘆の声をあげたのは最近の話だ。そのとき小松は料理関係の本を年間に大量に読んでいるとココに話した。
借りてもいいとココは言ったが貴重な本を借りる度胸もなく、小松は大人しく帰ったものだ。
『本を読みにきてもいいよ。お礼は茶菓子で』と短い一言が添えてある。
わざわざメールで終わりそうなメッセージを、手紙で送るココに小松は微笑んだ。
あて先も、自分の名前も、声が聞こえそうな一言も、ココらしい字体で綴られている。新鮮な気持ちで小松はは手紙を眺めた。
(・・・それにしても、なんでココさんはぼくの住所を知ってたのかな?)
終わり
ましろさんに捧げます^^
PR
カレンダー
カテゴリー
WEB拍手
つなビィ
最新記事
(12/15)
(11/27)
(08/16)
(05/27)
(05/13)
(01/15)
(07/29)
(05/07)
カウンター
リンク