ラスト(の予定の)第四部。
燃えろ、私の萌魂!!
(やばいくらい萌えてるから逆に大変なんですけど!)
料理陰陽師小松 其の四十三
突然消えたトリコだったが、奴は美食山に戻っていた。
ただし東方にある自分の家ではなく北方のゼブラが封印された場所だ。
最近磁場が揺らいでいるため、ぼくもすぐにはトリコが視えなかった。
トリコが見つからないことで小松くんが落ち込み、寝言で「トリコさんごめんなさい」と聞いた日には、やはりトリコに殺意を抱いた。
誤解を招いた小松くんの態度はよくなかったと思うけど、トリコが悪い。絶対悪い。
トリコの様子を見に行こうとしたら小松くんも着いてきたがっていたけど、まずは待たせた。
いきなりトリコが襲いかかったら今度こそ危険だからだ。
トリコも小松くんを喰い殺す自分を恐れている。
だけど、ぼくらはこの山以外知らないからどこにも行けない。
トリコが美食山に戻ったのは考えてみれば当然だ。
トリコはゼブラが封印された岩陰に隠れるように寝転がっていた。
「小松くんに心配かけるな」
見下ろせば、トリコは苦笑した。覇気のない笑みだ。
幾多数多の妖怪を咆哮で蹴散らした鬼大将とは思えない。
「小松、いつ帰るんだ?」
「知ってたのか?」
「匂いがするからな」
匂いで判別できる距離じゃないだろ。
「小松くんの帰る場所はなくなった」
伝えれば、トリコははじめて目線をぼくにちゃんと向けた。
「ぼくらをかばって、人間から逃げてきたようだ」
「マジでか?」
信じられないとトリコは叫ぶ。
「本当だ。だから小松くんは帰らない。トリコ、ぼくは美食山に結界を張るのをやめようと考えている。もとは小松くんや他の人間が山に入れないようにするのが目的だからだ。小松くんが人間側にいられなくなった今、結界に意味はない」
だから、
「食への欲求をどうにかできないか?」
続く