『カウントダウンラブ２』

カウントダウンラブの続きです。
後、１話考えてます。

カウントダウンラブ２

「カウントダウンパーティー？」
『そう、３１日にホテルグルメに呼ばれたんだ。サニーも来るよ』
電話越しから届く楽しげなココの声に、トリコは内心（邪魔だ）と思った。
もちろん口にしないから、ココの話はまだまだ続く。
（おれだけじゃなかったのか）
小松に誘われたのは自分ひとりだと思っていただけにショックも大きい。
『カウントゼロの余興もぼくの目なら関係ないしね』
ココの目は暗闇でも昼間のように明るく見える。暗さが理由で「見えない」ことはない。
「･･･だろうな」
いやな予感がしてこたえる声も歯切れが悪くなる。
『小松くんはその頃仕事が終わっているって言っていたから、一緒にいようかな』
「なんでまた？」
訊ねる声が尖る。
『別にぼくが側にいなくてもサニーが触覚で小松くんの居場所くらい把握しそうだねどね』
（こいつらまさか小松狙い？）
考え出すとトリコは落ち着かなくなる。
『トリコ？』とココが名前を呼ぶが、ガラの悪い返事しかできなかった。
『ぼくらが誰から小松くんを守ろうとしてるのか、わかっているか？』
「守る？」
わからなくて聞き返せば盛大なため息が返される。
『小松くんに不埒な真似はするなよ』
釘をさされて自分のことだとようやくトリコは気がついた。
「不埒な真似ってなんだよ」
照明が落とされた瞬間、小松が餌食にならないよう　自分が守るつもりだったのだ。
まさか、ココとサニーから疑いの目で見られているとは思わずトリコはおもしろくない。
おもしろくないが･･･。
（不埒な真似か）
考えもしなかったとトリコは思う。
『トリコ？』
トリコの心情を読み取ったタイミングでココが呼んだ。

カウントが加速する瞬間。

終わり