ココ誕なのに空気も読まずにパラレル更新でごめんなさい!!
料理陰陽師小松 其の四十九
「はい」と差し出されたものは、小豆が盛られた椀だった。
「小松くんからトリコにって」とココが言う。
人間が帰ってココとサニーは小松の元に行ったが、おれはついて行かなかった。
会えばどうなるかわからないからだ。
同じ山にいながら会えないのは苦痛だ。
匂いや気配さえ遠い。でも、甘い。
ここに漂う甘さは小豆のせいだけど。
「ありがとな」
おれは受け取ると一気に口になかに収めた。
甘い。
人間でなければ満たされないと思っていた空腹感が少しだけ和らいだ。
甘さに比例して苦いお茶が飲みたくなる。
「小松くんが淹れたお茶だ。ありがたく飲め」
ココの高飛車な物言いが、あまりにも堂々としていたので思わずうなずく。
お茶はほどよくぬるく、気持ちを満たした。
不思議だ。
小松の手ずからのものを食べるといつも気持ちが落ち着く。
「トリコは小松くんの陰陽師としての力量をどうみる?」
「弱いんじゃねえの? 前に美食會とこ乗り込んで死にかけたし」
確かに「戦う」陰陽師には見えない。
いや、そうじゃなくて。
「普通の陰陽師とは違う能力かもしれない」
「おれに聞かないで小松に聞けばいいだろ」
見当違いなことをおれに聞くなと言えば、ココの目が据わった。
「あ、そう? トリコより先に小松くんのあれこれをぼくひとりが聞いちゃっていいんだ」
わーい、なんて似合わない喜びの言葉を口にするのだから恐ろしい。
頭を下げておれは謝ったが。
ココはなんでわざわざおれに確認をしに来たのだろう?
おれに気を遣わず、小松に直接聞いた方が早いのに。
「なあ、トリコ」
ココの声が一変する。
「おまえ、小松くんが好きか?」
続く