いつも拍手を送ってくださってありがとうございます!
あまりの寒さにびびっております。気持ち的にはアイスヘル並(?)。天気予報は地元でめったに見ない雪マークがあってさらにびびりました。
みんな体調には気をつけてくださいね!
「ネクタイ」トリコマ
「トリコさんのって長くて大きいですよね」
体と首周りの太さを考えれば当然のサイズと言えるが、小松にとって帯に近い。
「手触りもいいし」
食事のための正装なら手間隙を厭わないトリコなら、良い生地を使って仕立てただろう。
スーツ姿も悪くない。着慣れている感じで、虹の実を実食しにレストランに来たトリコを見て小松は見惚れた。
入社の時に買ったスーツばかり着る自分を小松は少し反省する。
「急に欲しくなってきたなぁ」
今度の休みのときに買いに行こうかと呑気に考える小松のとなりには、理性と戦うトリコがいた。
「ネクタイ」ココマ
「お待たせ、小松くん」
現れたココの正装姿を目にして小松は「おお!」と歓声をあげる。はじめて見るココのスーツ姿は小松の想像以上によく似合っていた。
カッコイイ良さより品のある雰囲気が増すから不思議だ。
「素敵ですね、ココさん」
純粋に褒めればココは照れたように笑う。
「小松くんと食事だからね、気合をいれてきたよ」
意味不明な宣言に小松はつっこみたかったが、それよりネクタイが曲がっていると告げた。
鏡、と呟くココに「失礼」と小松は手を伸ばしてネクタイを直す。
身だしなみのチェック不足に青くなりながらも、小松の世話にココは頬を赤く染める。
―多少のカッコ悪さも悪くない。
「ネクタイ」サニコマ
「ハー、息がつけるー」
会場を後にした小松は大きく息を吐く。慣れないスーツに肩が凝り呼吸もままならない状態だったのだ。スーツに「着られている」感がどうしても抜けなかったが仕方ない。
「もっとたくさん着て慣れてほしーし」
小松に身の丈を越えたスーツ一式を贈ったサニーが背後からからかう。
「ま、着たぶん、脱がすし」
「はい?」
「まずはネクタイ」
眼前に迫る美貌に小松は息を呑む。サニーの長い指が、ネクタイの結び目と襟首の隙間に入り込んだ。
「ネクタイの解き方、教えてやるし」
しゅるる、と滑らかに布が滑る音と、小松の息を呑む気配の極上さに「良」とサニーは微笑むのだった。
グルメタウン編でトリコのネクタイに胸をときめかせた時期に書きました。ネクタイというと、昔読んだ漫画で女のひとが男のひとにのかって「知ってる? ネクタイってほどくためにあるのよ」と言っていたのを思い出します。