忍者ブログ

TCK

WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2025'04.19.Sat
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2010'04.07.Wed

来週が楽しみすぎて萌えが爆発してなにも考えられなかったけれど・・・降臨!


グルメ90「再生の刻!」

『おれの左腕がないのを見て、あいつはおれの左腕になるって言ったんだ』
アイスヘルから戻ってきた友人からの電話に、ココは無感情で聞いた。
「今おまえが親しげに言った「あいつ」とはもしかして小松くんのことかな?」
美食屋の腕が一本なくなったぐらいでココは驚きはしない。トリコが求める食材とは、常に死が隣にいるほどレベルの高いものだ。
ココの問いに「そうだぜ」と呑気にトリコはこたえる。腕に関してはスルーのココにつっこむつもりはない。
「で、もちろん断ったんだろ?」
占わなくてもココはわかっていた。
「おまえは料理人だ、ひとの腕になる暇などないだろ」などと言って小松の厚意と呼ぶか好意と呼ぶか微妙な感情を断ったことを。
「小松くんがおまえの左腕になったら、パートナー・・・美食屋と料理人という対等な関係にはなれないからな」
『ち、が、う! 小松の助けを借りなくてもやってけるってだけだ』
珍しいトリコの強がりにココは笑う。
「そういうことにしておくとして・・・。じゃあ、用件はなんだ?」
からかうのをほどほどにしてココは尋ねる。
『もし』
と長い沈黙の後、トリコが呟く。ためらう気配にココは緊張した。
『もし、小松がおれの左腕になったら、ずっと一緒にいられたかもしれないと思ったら惜しくなってな』
「惜しんでいろ」
ココは無情に言う。
「惜しんで、別の方法で一緒にいられるよう考えろ。一緒にいる関係の底に後ろめたさや罪悪感があったらうまくいかないものだ」
わかっているからトリコは断ったのだ。わからない訳ではないのに惜しいというあたり、未練の深さが伺えてココは微笑ましくなる。
『さんきゅー、ココ』
「どういたしまして」
お大事に、とココが告げれば、それが合図となって電話は終わった。
「小松くんの無茶は今にはじまったことじゃないけど・・・」
自分なら、対等な関係でならなくてもいいから小松を側に置くだろう。
「世の中、ぼくみたいな男もいるのを小松くんは知らないからなぁ」
心配だと呟きココの夜は過ぎていった。

明日は友人のために食材を贈ろう。

PR
[510] [508] [507] [504] [502] [501] [499] [497] [494] [493] [492
«  BackHOME : Next »
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
WEB拍手
つなビィ
カウンター
バーコード

TCK wrote all articles.
Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]