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WJ連載中「ト/リ/コ」の腐/女/子サイト  【Japanese version only.】

2025'04.06.Sun
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2009'12.31.Thu
間に合った!

カウントダウンラブ、カウントダウンラブ2の続きです。

カウントダウンラブ3

一通り立食の料理を味わうと、トリコは酒を飲む方に徹した。
給仕らの安堵の視線に適度な量で切り上げたとトリコは判断する。
「食事はもういいのか?」
天然果汁のジュースを持ったココがトリコに話しかけた。
「いらね」
いくらでも食べられるが、自分のためだけでない料理を食い尽くすことはできない。
料理が底をつけば、困るのは厨房を任されている小松だ。
「今日は雪が降るかも」
サニーのからかいにトリコは乗らなかった。ゆっくりとしたペースで飲み続ける。
時刻は零時を過ぎようとしている。そこでようやく正装した小松が現われた。正装といっても地味なスーツに身を包んでいるのがいかにも小松らしい。
「お楽しみいただけましたか?」
料理は、と言う言葉はないが、小松の言いたいことを正しく汲み取ったトリコはうなずいた。
「トリコさんが食べる量にしては少ない気がしますが」
満足という言葉に小松は納得できないようだ。
「ここに来る前、2、3店は閉店においやったぞ」
食前食だとトリコが言えば、ココとサニーは顔をしかめ、小松は笑った。
「トリコさんらしいですね。食前食ですか」
楽しげな声に、グラスを煽っていたトリコの手が止まる。
「グルメタウンでも店じまいさせてましたね」
懐かしいな、と小松が呟く。
思えばあれ以来、小松とハントにでかけていないのをトリコは思いだした。ハントには出かけてないが小松が常にトリコの側にいるからうっかりしていた。
いつもハントの話題を振る小松は、年末の忙しさもあって休日もままならない日々だ。忙しい小松の年末も今日で終わる。
「キタミ鳥」
この時期の旬のものをトリコは呟く。
「見たんですか?」
キタミ鳥は年に一度、12月末になるとどこからともなく現れる渡り鳥だ。
北に行くから、来れば年を越すから「キタミ」と呼ばれる。年に一度しか訪れない鳥だから希少価値でレベルも高い。
「見てないけど、まだ食べたことないから興味があるな」
「トリコさんでも食べたことがない食材があるんですか?」
小松が驚く。
「まだいっぱいあるぞ。だから楽しい」
食べるのは、と言えば、小松も嬉しそうな顔を見せた。
「行くか? ハントに」
「本当ですか? ぼく明日から三日間お休みなんです」
「そうと決まれば出発準備だ」
トリコはグラスを飲み干すと近くのテーブルに置いた。
「深夜だよ?」
ココがたしなめる。トリコの行動に付き合わされる小松の体調を心配しての一言だ。
「思い立ったら吉日だぜ」
トリコは己の信条を口にする。その声と会場司会者の案内が重なった。
会場内がひそやかにざわめくのは、もうすぐ日付を越えるからだ。
「もう少しパーティーを楽しめばいいのに」
「パーティーも楽しいですけど、トリコさんとのハントはもっとわくわくします」
小松の弾む声に、トリコの心臓も弾む。
「ぼくらと遊ぶのは嫌?」
ココが軽く意地悪を言えば、サニーものってきてからかいはじめる。
流せばいいのに、小松は嫌じゃないと必死に弁明している。
「ten」
秒読みが開始される。
「おまえら小松にかまいすぎ」
トリコは小松を腕に抱えた。突然のことに驚きバランスが取れない小松は慌ててトリコにしがみついた。
小さくなっていく数字に耳を傾けながら、トリコは小松の上司を探す。
「ウーメン」と派手な恰好の男を呼ぶ。
梅田が振り返るより先にトリコは叫んだ。
「こいつもらっていくからな」
ハントに同行する、という意味で言ったつもりだが、爆弾発言に聞こえる四天王の発言に周囲が振り返った瞬間、場内は暗くなった。
「トリコさん」
展開についていけず目をまるくする小松にトリコはキスをする。
「Happy new year」
今度はあいさつにしては少しだけ濃い口付けを小松にした。
「行こうぜ、ハントへ」
おれと一緒に、とトリコは言いながら会場を出た。暗くても匂いで人を避けられるし、場内の位置も把握している。
「はい」と返事する小松の声がかすかにココたちの耳に届く。
会場内に明かりがついたときにはふたりの姿はなかった。
「お持ち帰りされたし」
サニーが文句を言う。暗闇で行われたふたりのキスは触覚で把握していた。
「誰が見てるかわからない場所でなんて品がない」
小松を持っていかれたおもしろくなさからココも珍しく文句を口にした。
「カウントゼロと同時にさらってくれるとは」
そしてため息をつくが、やがて苦笑に変わった。
ゼロの距離がふたりにもたらすものが幸せなものであればいいとココは願う。

「寒いですね、トリコさん」
「ライダースーツがあれば便利だよな。それより日の出の頃には目的地につけそうだぜ」
「初日の出と初ハントをトリコさんが一緒だなんて嬉しいです」
「おれも嬉しいぞ」
「トリコさんとキスできて嬉しいです」
「おれも・・・ん?」

おわり
幸せになってしまえ!

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